雑誌の枠を軽々と超越した岩佐十良が率いる「自遊人」が、長野県松本市の浅間温泉の温泉街を丸ごとエリアリノベーションした松本十帖の「おやきとコーヒー」の紹介です。
古い一軒家をフルリノベーションして素敵な古民家カフェに生まれ変わった「おやきとコーヒー」はカフェであり、バーであり、松本十帖の旅館、松本本箱と小柳のレセプションでもあります。
店舗の軒先に看板には “w/ artless craft tea&coffee” という文字が見えます。これは中目黒の高架下にあるとってもおしゃれなカフェの名前ですね。
PR設計は自遊人
おやきとコーヒーの店舗設計は、浅間温泉のエリアリノベーションの企画をした自遊人です。
そもそも、自遊人代表の岩佐氏は、インテリアデザインをされていた方なので、このような仕事はお手のものでしょう。
真っ黒に塗装された古民家は、新しく建てた現代的な建築よりもむしろかっこいい。
瓦屋根や、丸窓、細かいピッチの桟、暖簾など伝統的な日本のしつらえをそのままに、純和風な日本家屋の良さが引き立っています。
店内の様子
入ってすぐ吹き抜けになっています。
吹き抜けには意外にもシャンデリアが吊ってありますが、全然違和感なくしっくりきています。▼
左官壁の1階にはカウンターが。ここは松も十帖の2つの宿泊施設「松本本箱」と「小柳」のレセプションでもあります。▼
2階から吹き抜けを見下ろします。シャンデリアはバータイムのための演出ですね。▼
2階は、元々はきっと細かく仕切られていたと思われますが、壁をぶち抜いての広々空間です。▼
奥にあるソファは、ル・コルビュジエ、ピエール・ジャンヌレ、シャルロット・ペリアンデザインによるLC2です。▼
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artless craft tea & coffee
店舗監修はartless craft tea & coffeeです。
中目黒の高架下にあった実店舗artless craft tea & coffeeは、残念ながら2022年1月31日で閉店してしまいました。
今後はBtoBのコラボレーションやプロデュース業に専念するそうです。
というわけで、おやきとコーヒーは、現在artless craft tea & coffeeのコーヒーを味わえる貴重なカフェということになります。
ふきっこおやき
おやきとコーヒーで食べられるおやきは、いわゆる普通のおやきとはちょっと違います。なんと蒸してあるのです。そのもちもちとした食感は初めての味でした。
おやきとコーヒーのスタッフの方に聞いたのですが、長野県内でもエリアによっておやきにも色々違いがあるそうで、ここのおやきは長野市の南部、川中島地方に伝わる“焼き蒸かし製法”で作っている「ふきっこおやき」のものだそうです。
ですから、松本のおやきではなく、長野市の珍しいおやきをいただくことができます。中でも季節のおやきは人気なので、早めになくなってしまいます。
左のピンクが粒あんのおやきでドリンクはコーヒー、右の白いのが野沢菜のおやきとほうじ茶です。粒あんのおやきの皮がピンクなのは紫芋を練り込んであるからなんです。▼
訪問した日の季節のおやきは「桜」でしたが、もう売り切れていました。残念!
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レセプション
おやきとコーヒーはカフェ&バーではありますが、ホテルのレセプションでもあります。
ですから、連休などの繁忙期の14時ー17時は、松本本箱と小柳の宿泊者チェックイン専用スペースとなり、一般客のカフェ利用はできませんので要注意です。
また、おやきとコーヒー横の駐車場は、松本本箱と小柳の宿泊者専用駐車場です。おやきとコーヒーのカフェ利用の方は、別の駐車場に停めましょう。
私は、松本本箱の日帰り利用もしたので、松本本箱日帰り利用者専用駐車場に停めて歩きました。
浅間温泉とその周辺
松本十帖のある「浅間温泉」は国宝松本城でも有名な松本市郊外にある、飛鳥時代からの歴史ある温泉地です。なお名前に ”浅間” が付きますが浅間山は見えません。
長野県のほぼ中央に位置するので交通の便も良く、松本市内までクルマで十数分、安曇野まで30分、上田まで1時間、軽井沢まで1時間半。要するに信州を観光する拠点としてぴったりの場所です。
これまでに紹介した伊東豊雄設計の「まつもと市民芸術館」や草間彌生で有名な「松本市美術館」、「用の美」を提唱し、民藝運動の旗手であった柳宗悦感銘を受けた丸山氏が創立した松本民芸館もほど近いので松本の建築やアート巡りの拠点にどうぞ。
また、安曇野方面なら宮崎浩設計 安曇野高橋節郎記念美術館と旧高橋邸もおすすめです。
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基本情報
cafe 10:00-18:00 bar 18:00-22:00 21:30L.O メニューはこちら
長野県松本市浅間温泉3丁目15−17 MAP
松本十帖は一休から予約することができます。下の客室の写真をクリック。