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「本城直季」「光のメディア」「はこだて」など3つの展覧会が観られる東京都写真美術館


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恵比寿ガーデンプレイス内にある東京都写真美術館(TOP MUSEUM)で開催している「本城直季」、「光のメディア」、「はこだて」の3つの展覧会を鑑賞してきました。(2022.4.7追記)

APA AWARD 2022は2022.3/13で会期終了しました。

東京都写真美術館

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「光のメディア」

東京都写真美術館は、日本初の写真と映像/映画の専門美術館として1995年1月にオープンしました。美術館開館にあたり1989年から写真作品のコレクションをしています。その数は36000点以上に及び、国内外の幅広い写真作品及び周辺資料を収集しています。

TOPコレクション「光のメディア」は、その充実のコレクションの中から、29人のアーティストの作品100点を展示する収蔵作品展です。収蔵作品展ではありますが、写真専門のスペースもあるタカイシイギャラリー所蔵や個人コレクター所蔵の作品も展示されています。

タイトルが表す通り写真で、新旧の写真家がモノまたは風景を撮ることで「光」を捉えようとした美しい写真作品が並びます。

東京都写真美術館

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スティーグリッツから佐藤時啓まで

近代写真の父と呼ばれたアルフレッド・スティーグリッツ、ダダイストでシュルレアリストのマンレイ、日本人では、油彩や版画のイメージの方が強い瑛九、ストレートに光をとらえた写真を撮る佐藤時啓などなど安心して、ゆっくりと落ち着いて観られる内容になっています。

中でも足を止めて見入った写真は、アンセル・アダムスの「月の出、ヘルナンデス、ニューメキシコ」1941年です。アンセル・アダムスらしいモノクロの風景写真なのですが、静けさが伝わってくる本当に美しい写真です。

また、「MINAMATA」で有名なユージーン・スミスの写真も展示されています。日本で撮影されたものですが、MINAMATAではありません。

全くの余談ですが、東京都現代美術館でユージーン・スミス展をやるんだと思っていたら、全然違う平成生まれの日本人「ユージーン・スタジオ展」だったという勘違いをしていたのは私です。

光のメディア

出品作家一覧

アルフレッド・スティーグリッツ|Alfred Stieglitz (1864-1946)
マイナー・ホワイト|Minor White (1908-1976)
アンセル・アダムス|Ansel Adams (1902-1984)
バーバラ・モーガン|Barbara Morgan (1900-1992)
ウォルター・チャペル|Walter Chappell (1925-2000)
ジャロミール・ステファニー|Jaromir Stephany (1930-2010)
ポール・カポニグロ|Paul Caponigro (1932- )
エドムンド・テスケ|Edmund Teske (1911-1996)
田口和奈|Kazuna Taguchi (1979- )
W.ユージン・スミス|W. Eugene Smith (1918-1978)
ジェームス・ウェリング|James Welling (1951- )
佐藤時啓|Tokihiro Sato (1957- )
糸井 潤|Jun Itoi (1971- )
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット|William Henry Fox Talbot (1800-1877)
ラースロー・モホイ₌ナジ|László Moholy-Nagy (1895-1946)
マン・レイ|Man Ray (1890-1976)
ロール・アルバン₌ギョー|Laure Albin Guillot (1879-1962)
瑛九|Ei-Q (1911- 1960)
杉村 恒|Tsune Sugimura (1926-1991)
杉浦邦恵|Kunie Sugiura(1942- )
スーザン・ダージェス|Susan Derges (1955- )
クリスチャン・シャド|Christian Schad (1894-1982)
アルヴィン・ラングドン・コバーン|Alvin Langdon Coburn (1882-1966)
ハリー・キャラハン|Harry Callahan (1912-1999)
ヨゼフ・スデック|Josef Sudek (1896-1976)
エメット・ゴーウィン|Emmet Gowin (1941- )
アンナ・アトキンス|Anna Atkins (1799-1871)
アンドレ・ケルテス|André Kertész (1894-1985)
ポール・ストランド|Paul Strand (1890-1976)

基本情報

TOPコレクション展「光のメディア」

2022年3月2日(水)~6月5日(日) 月休 一般600円

展示室内の撮影禁止


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「はこだて」

写真発祥地原風景 幕末明治の「はこだて」展は、写真発祥の地の一つとされている北海道函館の幕末と明治を写真で見る展覧会です。展覧会は3章で構成されています。

第一章 はこだての歩み

1章は写真だけでなく1793年の絵巻や箱館戦争の錦絵、1882年の多色刷木版による鳥観図などで函館の歴史を知ることができます。

東京都写真美術館

第二章 はこだてを捉えた写真家と幕末・明治の写真技術

写真発祥の地の一つである函館で写真館を開設した人々と、この地を訪れて撮影した写真家についての展示です。

また、幕末明治期の写真技術が、実際のカメラや三脚、原板等の撮影機材などで知ることができます。さらに、ネガ原板とプリント制作両方の、当時の原初的な写真技術の紹介もあります。

東京都写真美術館

第三章 はこだて鳥瞰

1897年に函館に函館要塞置かれ、軍事機密厳守のため、函館山への立ち入りは禁止されました。それだけでなく市中での写真撮影でさえも許可が必要となりました。

最終章は、それ以前に撮られた明治期のはこだての写真の数々です。

東京都写真美術館

印画紙も食べちゃうんですね。虫食いの跡が歴史を感じる写真▼

東京都写真美術館

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基本情報

写真発祥地の原風景 幕末明治のはこだて

2022年3月2日(水)~5月8日(日)月休 一般700円

展示室内撮影可能(一部撮影禁止作品あり)


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本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

地下の展示室で3/19から始まった本城直季の個展です。

「small planet」シリーズで木村伊兵衛賞を受賞した写真家で、都市の姿をジオラマのように撮影する手法で知られています。その代表作から、過去の作品まで約200点の写真作品が展示されています。

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

目を引くのは、見慣れた東京の写真です。でも、よくみるとこの東京タワーの写真、ミニチュアのセットのように見えます。

この写真が捉えているのは現実の姿なのか、虚構の姿なんでしょうか。▼

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

東京ばかりを集めたコーナーです。我が街もちゃんとありました。▼

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

京都のシリーズは、なんと印画紙ではなく和紙にプリントされていました。▼

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

ミニチュアの世界のように見える「ski trail」のシリーズは、壁面の展示ではなくのぞきの展示ケースです。▼

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

夜の東京の街を撮影した作品の展示室は漆黒の闇です。

奥に見えるのは、東日本大震災の甚大な被害を受けた東北の写真シリーズ「tohoku311」です。▼

本城直季 (un)real utopia この世界にあなたがいる

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基本情報

本城直季 (un)real utopia

2022年3月19日(土)~5月15日(日)月休(5/2開館)

一般 1,100円/学生 900円/中高生・65歳以上 550円 

写真撮影可能


APA AWARD 2022 会期終了

公益社団法人日本広告写真家協会(APA)主催の公募展で1961年より開催されている歴史ある公募展です。

東京都写真美術館

入賞入選展示

全国から780作品、2117枚の応募があり、入賞入選に選ばれた128の作品が展覧会です。会場内のQRコードからお気に入りの作品に投票することができます。

珠玉の名作を集めた「光のメディア」と歴史を紐解く「はこだて」の後に鑑賞すると壁に3段掛け、5段掛けされた多数の写真に圧倒されてしまいまいました。

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基本情報

APAアワード2022 第50回公益社団法人日本広告写真家協会公募展

2022年2月26日(土)~3月13日(日)月休 一般 500円

展示室内撮影禁止


同時に開催されていますが、全く違う三者三様の展覧会です。個人的にTOPコレクション「光のメディア」は観ておいた方がいい展覧会です。

美術館基本情報

東京都写真美術館/TOP MUSEUM

10:00~18:00(木金〜20:00)月休

目黒区三田1丁目13−3 恵比寿ガーデンプレイス内  MAP

恵比寿駅徒歩約7分

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