8月29日からはじまった資生堂ギャラリーの「かみ コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎」を鑑賞した。資生堂ギャラリーは現代美術のイメージが強いが、本体の資生堂の企業理念の「美しい生活文化の創造」が示すように工藝にも着目してきた流れがある。その流れによる今回の展覧会だ。「かみ」とは今回の出品作品の主たる手すき和紙のことである。手漉きの和紙と和紙作りに欠かせない「水」を巡る2つの展示空間にはそれぞれ「舟水会」と「お水え」というタイトルがつけられている。
まずは手前のスペース「舟水会」から。
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
奥の「お水え」の写真は以下である。
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
会場全体は照度を極限まで落とし、スポットによって展示物が浮かび上がるようになっている。一貫して厳かな雰囲気の漂う空間になっており、思わず手をあわせたくなるような感じだ。作品は文化の起源である縄文時代から着想を得ているということなので、工業製品や人工的なものを感じさせない。両空間に共通して展示されている和紙の紙衣のディテールも自然からの恵みを感じる。
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「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎 |
会場を構成する作品がすべて自然からの恵みで出来ていることと、太古の時代から脈々と引き継がれてきた人間の生活から生まれた工藝が、照明の演出によって神々しく感じられた。「かみ」は「神」の意味も含んでいるように思ったのは私だけではないのではなかろうか。
「かみ」コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎
資生堂ギャラリー
8月29日〜10月22日 11時〜19時(日・祝18時まで)
月曜休館 入場無料 撮影可
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