六本木のオルタナティブスペースANB Tokyoに中園孔二 個展「すべての面がこっちを向いている」を見に行ってきました。
事前予約制と言うこともあり、鑑賞時間約1時間最初から最後までずっと貸し切りでした。
中園孔二
この展覧会の作家中園孔二は2015年に25歳という若さでアトリエのあった香川県の海で亡くなっています。
高校2年生の時に絵を描き始め、亡くなる25歳までの約8年間に制作した作品はなんと700点。非常に早熟で多作な作家でした。
PRデビュー
デビューのきっかけは東京芸術大学の卒業制作が六本木complex665にある小山登美夫ギャラリーの小山さんが審査員をしていた「アートアワードトーキョー丸の内2012」で小山登美夫賞とオーディエンス賞を受賞したことです。
そこで、小山さんに声をかけられ翌年2013年に小山登美夫ギャラリーで初個展を開催しました。はっきり言って物凄いトントン拍子です。
小山さんはこの最初の出会いですぐに中園さんの大型作品を2点購入しています。
小山さんの話では「大学1年生のときに描いた作品が、すでに作家性を持っていた。作品に値段がつく品質感、クオリティ、それら基準をすでに満たしていた。」と大絶賛です。
没後
亡くなってからの話ですが、2018年に横須賀美術館で「中園孔二展 外縁−見てみたかった景色」を開催しています。
また、2020年10月に小山登美夫ギャラリーで開催されたグループ展「顔」では、中園作品だけが大人気のため抽選販売方式が取られるほどでした。
展覧会図録でもあり中園孔二作品集はこちら▼
展覧会
今回の展覧会は小山登美夫ギャラリー協力のもと開催されています。
ギャラリーや自宅、スタジオで保管されていたものから、未発表作品50点と貴重なドローイングブックを観ることができます。
本人がインタビュー映像で語っていますが、気持ちが落ち着いている時は暗い色の作品になり、不安定な時はカラフルな作品になることが多いそうです。今回の出品作も非常にカラフルで色彩豊かな作品から、モノトーンの作品まで並んでいて、描いていた時の作家の心情に思いを馳せつつ、今生きていたら彼はどんな作品を描いていたのだろうかと考えずにはいられませんでした。
展覧会に並ぶ作品を見れば見るほど若過ぎる死が残念でなりません。
展覧会の様子は動画を参照ください。
PRインタビュー
作家の友人である中村土光がアーティストのインタビュー映像を集めたプロジェクト「誰かのCV 2014」より中園孔二のインタビューを編集した映像を会場内で鑑賞できます。約20分です。
展覧会タイトルの「すべての面がこっちを向いている」と言う言葉もこのインタビューの中で本人が口にしています。
会場ではアーティストグッズも販売されています▼
Tシャツとかバッグとかも可愛いです▼
この展覧会、実は非常事態宣言発令で旅にはいけないから、近所でやってる展覧会に行ってみるかーと言う軽〜い気持ちで出かけたのですが、その軽い気持ちに思いっきり反して、すっごくよかったです。
まとめて観るのは初めての作家でしたが、今後中園孔二展があったら必ず観たいと思います。おすすめです。
中園孔二 個展「すべての面がこっちを向いている」
ANB Tokyo 3F&4F
港区六本木 5 丁目 2−4 MAP
2021年4月24日(土)~5月23日(日)12:00〜18:00(金・土〜20:00)月・火休(祝は開館)
入場料1000円 大学生500円 事前予約制 撮影可(動画NG)