竹中工務店東京本店1階に併設されているGallery A4/ギャラリーエークワッドで開催されている「千田泰広 ― 視野の外は何色か?」を鑑賞してきました。
この展覧会は写真ではなかなか捉えられない「現象」を鑑賞というより体験するインスタレーション作品です。(会期終了しました)
Gallery A4/ギャラリーエークワッド
東陽町の駅のそばにあるスーパーゼネコンの一つ竹中工務店の東京本店社屋の1階に併設されたギャラリースペースです。
“建築・愉しむ” をコンセプトに「建築」の「愉しみ」方を竹中工務店に出入りする多くの建築関係者だけでなく、広く一般の鑑賞者にも楽しんでもらおうというスペースです。
しかしながら、企業の運営のスペースなので、土曜は開館していますが、日曜祝日は閉館しています。
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千田泰広
今回このスペースで個展を開催しているのは、登山やアイスクライミング、ケイビングなどをフィールドワークとしつつ、光を用いたライトアートのインスタレーションを制作している千田泰広です。
2020年に武蔵野市立吉祥寺美術館での個展、2021年には松本パルコで開催されたパルコde美術館に参加して話題になりました。しかし、残念ながらこの2つの展覧会、両方とも見ていないのです。
今回展示されている作品は全部で3で点です。会場内は写真も動画も撮影可能です。しかし、しかし、写真でその様子を捉えるのは至難の業でした。
暗闇で見る光
最初の作品は「Myrkviðr/ミュルクヴィズ(暗い森)」です。真っ暗な空間に手持ちライト片手のスタッフの案内で入ります。
そこには真っ暗闇が広がりますが、目が慣れてくると無数の光が見えてきます。空間の先にあるゆっくりと回転する光源に応じて、空間内に無数に張り巡らされたピアノ線のようなものに光があたり、屈折光が生まれます。
それはまるで光の線が飛び交っているかのように見えて、時間を忘れて見入ってしまいます。だいたい1分くらいで真っ暗闇からだんだん明るくなって、また暗闇へを繰り返します。
水滴が落ちる
次の部屋は、「0.04」。最初の部屋とは真逆で床壁天井全てが真っ白の空間です。部屋の中央に白く小さな光があり、そこからポタリポタリと水滴が落ち、波紋ができます。
10秒ごとに一滴、また一滴と水滴が天井から落ちてきます。水滴が落ちる現象そのものは、日常で見慣れているのですが、それがこんなに神秘的で美しくなるなんて驚きです。
暗がりの中でこの作品が、どういう仕組みなのか暗がりの中真剣に凝視しましたが、仕組みがよくわかりませんでした。本当に水滴が床に落ちているわけではないようなんですけれど。
とにかく、時間を忘れて見入ってしまうインスタレーションです。
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延々と永遠に
最後の部屋は「aftereal」です。紐状のものが上下に張られていて揺れ動いています。その揺れ動く紐はブラックライトを浴びて垂直な壁面に川が流れているようです。これもまたシンプルながら、目が離せません。
写真ではあまりにも伝わらないので動画を参照してください。動画での撮影もなかなか難易度高いのですが。▼
鑑賞というより体験
どの作品も驚きと共に心地よいリズムを持った作品です。だからいつまでも観ていられるし、時間と我を忘れてしまいます。
冒頭でも書きましたが、どの作品も鑑賞するというよりは体験するとと言う方が正しいですね。
実際に目で見て体感しないと本当の意味で作品を鑑賞したとは言えません。是非足を運んでみてください。
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基本情報
千田泰広 ― 視野の外は何色か? 会期終了
2022 年 3/3(木)~ 5/26 (木)10:00-18:00(土・最終日〜17:00)日祝、4/29、5/1~5/5 休 入場無料
江東区新砂1-1-1 竹中工務店東京本店1F MAP
アクセス:東京メトロ東西線東陽町3番出口徒歩3分