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静謐で荘厳な聖堂は必見!アントニン・レーモンド設計 築70年を迎える カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)


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目黒駅から徒歩3分ほどの場所にあるアントニン・レーモンド設計の教会カトリック東京大司教区 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)は、1956年に竣工した日本初の鉄筋コンクリート造による折板構造による貴重な建築です。

アントニン・レーモンド建築でコンクリートの折板構造と言えば群馬音楽センターを思い起こす方は多いでしょう。しかし、カトリック目黒教会の方が先に竣工しています。

また、アントニン・レーモンドは、多くの教会建築を手掛けていますが、ここ目黒カトリック教会はその代表作と言っても過言ではありません。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

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聖アンセルモ教会からカトリック目黒教会へ

カトリック目黒教会を名乗り、最寄駅も目黒なのですが、実は品川区の教会です。そもそも目黒駅が目黒区ではなく品川区ですから、当然といえば当然の事実です。

教会の設立は1947年で、当時は聖アンセルモ教会を名乗っていました。現在の聖堂が献堂されたのは1956年です。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

ちなみにレーモンド設計事務所公式HPによると竣工は1954年、カトリック目黒教会の公式HPによると献堂が1956年、東京都選定歴史建造物の銘板も建築年1956年となっています。

竣工と利用開始にズレが生じるのはままある事ですが、2年の誤差はどういう事でしょう。竣工と建築年っていうのは普通一緒のはずですよね。

竣工してから教会としてスタートするための準備に1年以上かかったのか、どちらかの記録が間違っているのか。いずれにしても築70年を迎えようとしていることは紛れもない事実です。

さて、教会の名称ですが、設立から50年ほど経過した1999年に委託されていた小教区司牧が東京大司教区へ戻され、聖アンセルモ教会から現在のカトリック目黒教会となりました。

尚、教会堂の名前は現在も聖アンセルモ聖堂です。ややこしや〜

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

アントニン・レーモンド設計

前述しましたが、設計はチェコ出身の建築家アントニン・レーモンドです。アントニン・レーモンドは1919年旧帝国ホテル設計監理のため、フランク・ロイド・ライトと共に来日し、1921年日本に設計事務所を開設しました。

この時、開設したレーモンド設計事務所は、レーモンド亡き現在も存続しています。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲この聖堂の見どころはもちろん内部なのですが、実は外観も印象的ですごくいいのです。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲築70年を迎えようとしてるとは思えないほど大切に使われている教会です。

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聖堂内部

なんと言ってもすごいのは聖堂の内部です。何度来てもはぁーっとなる荘厳な空間が広がります。

▲壁と天井がダイナミックなコンクリートの折板構造で、側壁のスリットから東へ光が抜ける様子は、美しいという言葉では物足りない光景です。

前述しましたが、このコンクリート折板構造は戦後初の取り組みで、その後、レーモンドは同様の構造で群馬音楽センターを設計しています。

群馬音楽センターの方が建物の規模は大きいですが、荘厳さはこちらの空間も負けていません。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)
2018年の様子

▲何度か訪問していますが、こちらはコロナ前2018年、5年前の聖堂の様子です。中央にある印象的な天蓋は、古いバシリカ形式の教会の要素をとりいれたもので、金色は火を意味し、翼をひろげたような形は聖霊のシンボルです。
また、天蓋の後ろの4つの円は聖なる三位一体である「父」と「子」と「聖霊」と私たち(教会)を象徴したものです。

上の2023年の写真と5年前の写真を比較しても備えられているお花以外は何も変わっていません。

強いて言えば5年前は写真右側の聖櫃が光っていることくらいでしょうか。

こういう祈りの場所は特に、変わらないことの大切さを感じずにはいられません。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲降り注ぐ太陽光が祈る人々を優しく包みます。スリットからの光の差し込み方が、空間を光と闇に分け、祈りの場にふさわしい静謐で荘厳な雰囲気を高めます。

何度訪れてもため息が出る空間です。

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ステンドグラスやモザイク

正面の天蓋と向き合うように設置されているのが、洗礼堂です。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲洗礼堂は壁にステンドグラス、床にモザイクが敷き詰められています。

ステンドグラスは、スリランカのVaruni Huntのデザインによりローマで制作されたものです。3枚の絵画は、楽園の追放、海を渡るモーゼ、キリストの洗礼を描いたもので、作者はマツイトミオです。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲抽象的な模様がとてもモダンな床モザイクです。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲洗礼堂の上部2階には、両脇に米国フィラデルフィア、ウィレットステンドグラススタディオ制作のステンドグラスが設置されています。

中央には、米国ノアク社製作のパイプオルガンで、金属パイプはすべて錫と鉛だけでできたものです。ただし、2階には一般人は入れません。

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上記だけでなく、聖堂内にはたくさんのクラフトワークが施されています。これらも見所の一つでもあります。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲聖堂内の壁面にはいろいろな装飾がなされています。これはアイアンワークで十字架やキリスト教の教えが表現されています。

アントニン・レーモンド設計 カトリック目黒教会(旧聖アンセルモ教会)

▲このレリーフもアイアンワークです。マチスの素描のような雰囲気です。

▲コロナ前の賑わっている頃の様子。

かつては、この教会の建築より先に設立された聖アンセルモ幼稚園を併設し、子供たちの声が聞こえる賑やかな場所でしたが、2000年に52年の歴史に幕を閉じ閉園してしまいました。

しかしながら、現在は敬虔な日本人信者だけでなく、在日外国人信徒の集まや催しに利用されており、祈りの場所、癒やしの場所として多くの人に利用されています。

是非、これから先も変わらずにここに在り続けて欲しい建築です。

アントニン・レーモンドの記事▼

基本情報

カトリック東京大司教区 カトリック目黒教会

品川区上大崎4丁目6−22 MAP

アクセス:JR山手線 目黒駅西口、東急目黒線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線 目黒駅中央口徒歩3分

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