写真展
2017年に亡くなった写真家田原桂一の展覧会です。開幕直前に亡くなった前回の展覧会「LES SENS」に続いてPOLA MUSEUM ANEXで2回目の個展となります。
会場は2つのセクションに分かれています。最初はブラックの空間で、主に1978年から1987年に撮影された画家のアンドレ・マッソンやヨーゼフボイス、クリスチャン・ボルタンスキーなど世界的な巨匠のポートレートです。▼
黒
モノクロームの写真は黒い空間に黒いフレームに入れられて展示されています。存在感ありまくりのアーティスト達の眼差しは強く静かにファインダーに向けられています。▼
黒の空間の一番奥に展示されているのはヨーゼフ・ボイス1981年の肖像です。65歳で亡くなる5年前です。ボイスといえば現在、豊田市美術館で「ボイス+パレルモ」展が開催中です。この展覧会は7月に埼玉県立近代美術館に巡回予定なので楽しみにしています。
黒と白の空間をつなげる部分には、ゲートには幾重にも重なった薄い紗が吊り下げられ、そのしゃをスクリーンとしてポートレートが投影されています。このゲートを抜けると次のセクション「白の美術館」です。▼
これは白いセクション側から撮影したものです。この目力は、若かりき頃のクリスチャン・ボルタンスキーかな?違うかな?
白
白いセクションはテレビ朝日で2020年3月まで放送されていたポーラ提供番組「白の美術館」に出演した表現者のポートレートの展示です。この番組にはポートレート撮影だけでなく番組の企画から携わっていました。
ファッションデザイナーやダンサー、指揮者など5人の日本人の表現者のポートレートが各々2枚づつ展示されています。全身写真とアップの写真の2枚で、アップの写真は必ずしも顔ではありません。山本耀司の写真はとても味のある手の写真です。この手で素晴らしいファッションを生み出してきたわけです。こちらのセクションの写真も全てモノクロです。一番奥に展示されているのは、田原桂一本人のポートレートです。▼
1Fのポーラのショップのウィンドーにはアクリルの作品が展示販売されていました。税込み55000円です。
販売されているのは、おそらく長らく住んでいたパリで撮影された写真をアクリルに転写している作品です。▼
ポーラと田原桂一は縁が深いのできっと2回の個展を開催に至ったのだと思います。今後も別テーマの田原桂一展が見られるかもしれません。
写真撮影可、入場無料、事前予約制
田原桂一 表現者たち-白の美術館-
POLA MUSEUM ANEX
2021.4.28– 5.30 11:00-18:40 ※webによる事前予約制