長野駅から地下鉄やバスでアクセスする長野県立美術館は、7年に一度のご開帳で有名な善光寺の東隣に位置する県立美術館である。前身は1966年に開館した長野県信濃美術館で、2021年に長野県立美術館としてリニューアルオープンした。その際の設計は宮崎浩+プランツアソシエイツでが手掛けた。
谷口吉生設計の長野県立美術館 東山魁夷館は、長野県信濃美術館時代の1990年に谷口吉生の設計により県立美術館の隣に開館した。
東山魁夷は長野県出身ではないが、作品制作のインスピレーションを得た場所として、長野県に多くの作品を寄贈した。その際美術館の設計を旧知の仲であった谷口吉郎に相談したところ、息子である谷口吉生を紹介されたのがきっかけということだ。
谷口吉生が手掛けた美術館がどこもそうであるように、ここもまた例に漏れることなく、展示されている作品の邪魔することなく、シンプルでシックな空間だ。それだけでなく、上品で落ち着く飽きのこないデザインの美術館だ。
私がここを訪れるのは、確実に作品よりも空間を味わうことが目的である。そのため、展示室よりも水盤を眺められるラウンジ空間にいる方が長い。
そこで出会ったのが、ゆらめく水面が軒先に反射して、とても美しいインスタレーション作品を見せてくれた。本当に美しい光景だった。冬場はメンテナンスのために水を抜いていることもあるので水面のゆらぎ目的の場合注意したい。
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