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建築の神様からの贈り物

建築の神様からの贈り物 vol.14 昼も夜も美しい ラファエル・ヴィニオリ 設計 東京国際フォーラム
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東京国際フォーラムは、ウルグアイ生まれ、アルゼンチン育ちでアメリカ在住の建築家ラファエル・ヴィニオリの手がけた大きなガラスの宇宙船のような建築だ。

国際フォーラムの竣工は1996年。コンペで設計者がラファエル・ヴィニオリに決定したのが1989年なので、日本が好景気で浮かれているバブル時代の建築といっても良いであろう。

残念ながらラファエル・ヴィニオリは、2023年3月に78歳で亡くなった。日本にあるラファエル・ヴィニオリの建築はこの巨大な宇宙船のような東京国際フォーラムだけだ。

東京国際フォーラムは、幕張メッセや東京ビッグサイトのようなコンベンションセンターだ。さまざまな催しや展示会が毎日行われている。

個人的には近年アートフェア東京で毎年訪れている。また、コンサートや映画の試写会などで来たことも多々ある。

なんせ有楽町の駅から近いのでとても便利だ。都民なら一度は足を運んだことがあるだろう。別に有料の催事に入場しなくても天井が船底のような大空間には誰でも入ることができる。

上の階にはレストランもあるので上階に上がって吹き抜け空間を見下ろすことも可能だ。(催事によっては入れないエリアが設定されている場合あり)

ラファエル・ヴィニオリが手がけたラスベガスの曲面のガラスに覆われたホテル建築で、そのガラスに反射した太陽光によって火傷を負うという事故があったことは記憶に新しい。

ロンドンでも同様な事象により駐車場の車が溶けたことがあるという。

ガラスは美しいが時に棘となる場合もある。また、建築家にとって、ガラスと太陽光の組み合わせは、時に想像を超えることが起きるということだ。

それが建築の神様からの贈り物ならウェルカムだが、事故となると困ってしまう。

でも、東京国際フォーラムではそんなことは起きていない。

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この宇宙船の船底のような天井を持つ巨大吹き抜けは上からも下からも見事な景色を見せてくれる。広さといい、意匠といい、非現実的な空間なのでどこから見ても絵になるのだ。

そして、晴天の日の午前中はその光と影が織りなすストライプ模様が、空間全体を格段に美しい姿に変える。

そして、また夜も幻想的で美しい。本当に夜空に浮かび上がる宇宙船のようなのだ。

有楽町に来たらとりあえず、この巨大空間を堪能したい。昼も夜も晴天も曇天もその時々にしか見られない表情を見せてくれる空間だ。

まさに空間全体が「建築の神様からの贈り物」なのだ。

東京国際フォーラム

 

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