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妹島和世設計 「大倉山集合住宅」にあるブックカフェelever( エルヴェ)へ


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大倉山にある隈研吾設計の高野山真言宗歓成院へ訪れることになったので、前々からチェックしていた妹島和世設計の建築にあるブックカフェに行ってきました。

大倉山集合住宅は、大倉山駅から徒歩2分ほどのアクセスが抜群にいい場所に位置しています。

初めて降り立った駅でしたが、迷うことなく到着することができました。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」写真:建築とアートを巡る
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妹島和世設計 大倉山集合住宅

西沢立衛とのユニットSANAAとしても世界的に活躍する建築家妹島和世が手がけた集合住宅です。

大倉山駅すぐそばの住宅街に建つ9戸の集合住宅として2008年に竣工しました。

鉄筋コンクリート造の3階建てで各住戸はすべて1階に入口があります。また、一部ピロティになっている場所があったり、庭が1階だけでなく2階、3階のテラスに点在していたりします。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」写真:建築とアートを巡る

庭と建物が有機的に入り組んでいて、建物が敷地を這うように緩やかなを曲線を描いて建っています。

空を見上げると円弧を描いて切り取られた美しい大空を目にすることができます。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」 写真:建築とアートを巡る

ただ、現在は当初の設定の住宅として使用している人はほとんどいないそうで、カフェや設計事務所など商用やオフィス利用に使われています。

なぜ住宅としては使用されていないのか?その謎は内部に入って解き明かされました。

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大倉山集合住宅のブックカフェelever( エルヴェ)

9つの集合住宅のうち、一部屋がブックカフェelver(エルヴェ)となっています。カフェ利用をすれば妹島和世建築の内部に入ることができる!

住宅として使用されていたら叶わなかった事が叶うのです!と言うわけで早速行ってみました。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲1階の入り口の扉を開けるといきなり上階への階段です。モルタルの階段は踏面が狭くて勾配もかなり急角度。近年叫ばれているバリアフリーの真逆を行く環境が現れました。

カフェ予約の前に必読する注意事項にあった「必ず手すりにつかまってください」の意味がわかって「ははぁーん!なるほどね」となりました。

確かにこれはなかなかに手強い階段です。急な階段を上った2階はレジカウンターとその奥にキッチン、そしてトイレのみ。

客席は全て3階です。2階から3階への階段は白く塗装されたスチールのストリップ階段。

こちらはモルタルの階段に比べると踏面がある程度確保されていました。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲3階のカフェスペース。モルタルの床に真っ白な壁と天井です。いろんなデザインの椅子が並んでいてかわいい!

無機質な空間であるにもかかわらず緩やかな円弧を描く壁の曲線と相まって温かみ溢れるカフェスペースです。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲カフェスペースは主に3エリア。各々窓の前の角っこスペースが落ち着きます。

椅子などの家具だけでなく窓に貼られたメッセージやドライフラワーなどもとってもかわいい。これはいい空間。時間が許すならいつまでもいたいそんな空間です。

しかし!うっとりしていたのも束の間、冷静に考えるとまず天井にシーリングライトは全くありません。全て間接照明です。

そして、ここが住宅だとしたら収納スペースも皆無ですね。これはまた階段以上に手強い!

さらに、壁はすべて曲線ですから家具が置きづらい。空調の位置も微妙で空間全体の温度を保つのも大変そうです。

と言うわけで住宅での利用が減っていった理由がだんだんわかってきました。

逆に商用であればなかなか出会えないとっても素敵な空間ですし、駅からめちゃくちゃ近いし、と言うことで現在に至るのでしょう。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲さらに、実は2階のキッチンは後から設置したもので、元々の住宅時代はなんと3階にキッチンがあったんだとか。

写真の妹島和世が表紙のPLOTが置いてあるのは実は換気扇。その下の台はカバーをかけたキッチンなんですって!

見ての通りキッチンと言ってもかなりコンパクトですね。

このレイアウトでは、かなり生活感のない暮らしでないと成立しないような住宅だった事が内部に入ってよーくわかりました。

でも、そのおかげで現在はカフェとなり、一般人も内部空間に入れるのですから、建築好きにはありがたい流れですね。

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ブックカフェelever( エルヴェ)メニュー

ブックカフェなので、ブックカフェ利用料600円(+1オーダー制)となっています。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲私は黒パフェのセットをオーダー。この黒パフェが見た目はまるで備前焼のような趣きでとっても素敵なんです。

なんとこのパフェはここの建築をイメージしているそうで、無機質でありながら温かみがあるのはそう言うことなんですね。

コンセプトが建築空間と同じじゃないですか!さすがです。

さらに見た目だけでなく味も美味しい。

黒胡麻アイスの下にはぷよぷよのゼリーと共に豆やナッツが敷き詰められていて食感もバラエティに富んでいるから、小ぶりながらも印象に残るパフェでした。←オススメ!

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲2024年9月時点のドリンクメニューを置いておきます。メニューや価格は今後変更の可能性があります。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲2024年9月時点のドリンクメニューを置いておきます。メニューや価格は今後変更の可能性があります。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲2024年9月時点のスイーツメニューを置いておきます。メニューや価格は今後変更の可能性があります。私がオーダーしたドリンクセットがおすすめです。

また、掲載したメニュー以外にフードメニューなどもあります。

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ブックカフェelever( エルヴェ)の予約

私はブックカフェelever( エルヴェ)の公式Instagramにメッセージを入れて予約しました。

大倉山まで行って入れなかったらショックが大きいので予約をしてから行くことをお勧めします。

妹島和世設計 「大倉山集合住宅」ブックカフェelever 写真:建築とアートを巡る

▲ブックカフェなのでたくさん本があるので飽きることはないでしょう。

大倉山集合住宅とカフェの空間の様子はリールで▼

冒頭に書いた通り、私はこのカフェから徒歩8分ほどの隈研吾による客殿が素晴らしい高野山真言宗の寺院歓成院にお声がけ頂き、隈研吾と駐日スリランカ大使によるレクチャーに参加したのですが、この日同じ時間にカフェにいた方は全員漏れなく歓成院のレクチャー参加者でした。

このことからわかるように建築好きにはたまらない空間なのです。

基本情報

ブックカフェelever( エルヴェ)

ブックカフェ利用料600円(+1オーダー制)

11:30〜18:00(L.O17:00)

木曜定休+不定休

横浜市港北区大倉山3丁目5−11 大倉山集合住宅 G号 MAP

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