六本木の東京ミッドタウンにある港区立檜町公園に続く緑地「ミッドタウン・ガーデン」の中に建っている安藤忠雄建築と言えば21_21DESIGN SIGHTです。現在21_21DESIGN SIGHTで開催中の企画展「The Original」に行ってきました。
ここは展覧会内容はもちろんですが、一枚の鉄板を折り曲げたような外観と共に地下に埋まっているかのようなギャラリー空間が美しいので、その建築美を楽しむことも目的の一つです。
何度行ってもエントランスからギャラリーへ向かう階段の壮大な吹き抜け空間にはため息が出ます。

ほぼ全てが購入可能
展示されているのは、新旧の家具やプロダクトなどの数々です。2121では家具と道具というカテゴライズをしていました。

▲展示品を図式化したパネル
大きいものから、小さいものまで、よく目にするものから、初めて見るものまで、ありとあらゆる優れたデザインが展示されています。
ミュージアムピースのような最初に完成したもの、または当時のもの、またはプロトタイプそのいずれでもありません。
ここでいう「オリジナル」とは、1点ものとか最初のものとかという意味ではなく、”独創的なデザイン”であるということなんだと思います。

流通している大量生産品
展示されているものはほとんどが、各企業から提供された現在生産されているものばかりで、市場に流通している、誰でも購入可能な大量生産品です。
ですから、クレジットの展示協力の企業名の数が半端じゃないです。
展示品の数だけ協力企業がいるのですから、当たり前です。
ここでいうオリジナルとは、長く広くたくさんの人に愛されているオリジナリティ溢れるスタンダードなデザインの事なのでしょう。

見に行って感じたのは、公立美術館ではあり得ない内容で、展覧会というよりは展示会やコンベンションのようです。
でも、ここは公立の美術館ではなく、あくまでデザイン(時に建築、稀にクリストのようなアートも)に特化した私立のアートスペースですから、長く広く市場で流通しているデザインを改めて考え直し、デザインとは何かを問う企画です。

▲扉にはドアノブの展示
展示構成
2121のスペース全てを使用したコンベンションのようになっています。

間仕切りであり解説パネルでもある壁面の写真は、この展覧会のためにゴッティンガムが撮り下ろしたものです。
この壁面の写真の効果はとても大きいと感じました。そこに本物があるのに、なぜ写真?と思うかもしれませんが、この写真がなかったら、本物のコンベンションになってしまいます。
安藤建築で見る
地下に埋まっているのに光が美しい安藤忠雄建築とゴッティンガムの写真の効果もあり、ウィンドーショッピング感覚で楽しく鑑賞することができました。

ベストセラー商品であり、家具や道具のスタンダードデザインについて知りたい方には、ブランドやメーカーという枠にとらわれずたくさんのデザインを見ることができる良い機会です。
また、何より何回訪れても安藤忠雄建築が美しいです。
コンクリート打放しで光が美しい安藤建築がとても引き立つ企画展で、難解な内容ではないのでとても気軽に楽しむことができます。
屋外に出られる
5月末に再訪したら、屋外スペースに出られる案内が出ていました。

▲会期始まってすぐの訪問の時にはなかった案内が出ていました。
会期初日に行ったりすると空いているけれど、こういうことがあるんですよね。

▲2121がオープンした頃から何十回も通っているけれど、ここに出られるのは初めてでした。再訪してよかった。
基本情報
企画展「The Original」
2023年3月3日(金) – 6月25日(日) 10:00 – 19:00 火休 一般1,400円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料 21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 港区赤坂9丁目7−6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン MAP アクセス:都営大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、 千代田線「乃木坂」駅より徒歩5分 |