大人気のレアンドロ・エルリッヒ
連日多くの人が訪れ、大好評で終了した森美術館「レアンドロ・エルリッヒ 見ることのリアル」展で注目されたアルゼンチンアーティストのレアンドロ・エルリッヒの作品を展覧会終了後でも都内で鑑賞できるスポットをご紹介します。
金沢21世紀美術館の「スイミングプール」はあまりにも有名ですが、残念ながら東京から気軽にいける距離ではありません。

霞が関の飯野ビルディング
東京メトロの霞が関駅と直結している飯野ビルディングは、1960年に竣工したオフィスビルです。このビルは老朽化に伴い2009年に取り壊され、2011年に現在の新しいビルが完成しました。これから紹介する作品は、この立て替えで新しいビルになった時に設置されたアートです。
「Cloud」
森美術館での展覧会にも出品されていたガラスを重ねて見ることで雲に見える作品「Cloud」です。
この作品は屋内ではなく、1Fピロティに設置されています。
飯野ビルディングに設置されている「Cloud」は、展覧会の「Cloud」よりサイズも大きく、
アートというだけでなく、防風スクリーンとしての機能も併せ持っています。



森美術館の作品展示でもわざわざ展示室内を暗くしていましたので、
この作品を鑑賞するのに一番適しているのは夜だと思います。


イイノの森の「The pond」
1Fには「Cloud」だけでなく、もう1つレアンドロ・エルリッヒの作品が設置されています。イイノの森と名付けられた1Fエントランス前の外構部分です。
飯野ビルのオーナー会社、飯野海運のケミカルタンカーのタンクで使用する特殊なステンレス(SUS316L)を磨いて「美しい池」に見立てた作品です。
オフィスの憩いの場として設けられた植栽の中に設置された作品は、現在なんとも悲しい状況に。
作品の周囲を回遊できるように設置された道は、コーンが立てられていて立ち入り禁止。
何か不具合が生じたのでしょうが、作品を観にきた者にとっては切ない状況でした。


村井政成レリーフ作品
飯野ビルには以前のビルにも現在のビルにも500人収容の多目的ホール、イイノホールがあります。
そのためオフィス以外にも多くの人が利用するビルです。
このイイノホールの入り口に設置された石の大型レリーフが村井作品です。
以前紹介した等々力の村井正誠記念美術館には、立て替え前の旧飯野ビルに設置されていた作品を引き取った作品がアトリエの吹き抜け空間に展示されていました。
現在の新飯野ビルの村井作品は木から石のレリーフへ生まれ変わり、堂々たる存在感を放っています。



その他アート
エントランスホールには、天井から渋谷清道の「12ヵ月の精霊たちが集うかがり火」
という作家の宇宙観を具現化した巨大作品が設置されています。


また、この作品以外にもイイノの森や一般には解放していないオフィスロビーなどにもアート作品はあります。
霞が関近辺に行くことがあったら、ちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
飯野
ビルディング
千代田区内幸町2-1-1









