小松空港から車で20分ほどの長閑な田園地帯にある不思議なカフェイヴェールボスケです。建物の設計は堀部安嗣。
店名の「Hiver bosque」(イヴェールボスケ)は仏語で「冬」と「木立」の造語で『冬木立』を意味します。
まわりはこんな景色です。▼
まさに冬の木立のように田園地帯の真ん中に建っています。車で向かっている時もこんなところにカフェがあるのか!?と不安になるような場所です。
不思議なのはこの立地だけではありません。
このカフェのコンセプトがなかなか個性的なのです。
そのコンセプトは「静カフェ」です。
「静カフェ」って何?と思うでしょう。
以下カフェの利用案内を引用します。
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「カフェの利用についてのご案内」
・静かな時間を求められるおひとり向きの読書カフェです(一人を楽しむ、自分と向き合うコンセプト)
2名様のご利用の場合でもお話を抑え、静かに過ごす時間をお楽しみくださいませ。
(声を出さなければ良いという意味ではないです。耳を澄ませ、五感を開くことで得られる体感を楽しんで頂きたいと考えます)
3名様以上の場合、席を分かれてご利用となります。(カフェ席)
順番にドリンクをご用意いたします、時間がかかる場合もあります。お時間にゆとりを持ってご利用ください。
・当店のカフェのご利用は<中学生以上>とさせて頂いております。
(求めて静かな時間を過ごす大人のコンセプトのため、小学生以下では我慢することになるのではと考えます)
・席のご予約は承っておりません。時間帯により3,4組お待ち頂く場合もございます。お時間の余裕を持ってお越しください。
・写真撮影はすべてご遠慮願います。
・禁煙のご協力をお願い致します。
(当店敷地内、特に入口周辺ではご遠慮ください、皆様に野花などの自然の香りを楽しんでいただきたいです)
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下3つは特に珍しいとは思いませんが、1番上の簡単に言うと”私語厳禁”というのが、一風変わっていますね。
撮影禁止なので店内の様子や頂いたケーキの写真は残念ながらありません。
外観写真だけで、あとは想像を膨らませてください。
奥が駐車場で手前がお店です。▼
入り口の様子▼
駐車場側から▼
駐車場側から入り口を見る▼
雪景色の中は更に美しいだろうなぁ
ここがカフェスペースです▼
お店に入るとまずガラスショーケースがあってケーキが売っています。
テイクアウトの場合はそこで購入して終了。
カフェ利用の場合は、そこでケーキを選び、カフェスペースへ案内されます。
席についたら飲み物メニューから飲み物を選びます。
私はとっても美味しそうなメロンのケーキとコーヒーを頂きました。
店内は大きい窓から外の景色が美しく、運ばれてくるケーキとコーヒーで贅沢な時間を過ごしました。
とはいえ、同伴者とは話ができませんので、先客の親子らしい二人も食べ終えるとそそくさと帰って行きました。
カフェに置いてあった建築雑誌「新建築」に掲載されていたこのお店の竣工写真を見ると、私たちや先客の親子が座っていたスペースは当初は丸テーブルに椅子が4脚でした。
現在は長方形のテーブルに椅子が2脚、しかも隣同士でもなく、向かい合わせでもなく、互い違いになっているのです。そのテーブルセットが3セットとベンチシート席です。
丸テーブルに4人座って私語厳禁と言うのは矛盾しています。
ここからは私の推測ですが、このカフェはケーキのみのお店で食事を出していませんから、基本ケーキとドリンクだけになります。客単価は決して高くありません。
しかし、遠方からくるお客さんも多く、中にはコーヒー1杯で長々と居座るお客さんもいたのでしょう。
回転率を上げるために苦肉の策として静カフェと言うコンセプトに変更したのではないでしょうか。
お店のスタッフもおそらくオーナーらしき方も特に神経質そうな感じには見えませんでしたので、オープンしてから路線変更をしたのではないかなぁと思ったのです。
真実はわかりません。
とにかくケーキもコーヒーも景色も建築もシチュエーションも
みんなとてもよかったです。
お土産で買ってきた胡桃のフロランタン!
周りがサクサクで中は濃厚で美味しかった!
冷蔵ケースのケーキ以外に胡桃のフロランタンのような日持ちする焼き菓子なども販売されています。
小松空港から近いので、小松から金沢入りする時は再訪したいと思います。
イヴェールボスケ
石川県加賀市宮地町リ60-1
shop 10:00~18:00
cafe 10:00~17:30延長カフェの日あり
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