虎ノ門ヒルズは森美術館を運営する森ビルのものですから、当然こちらも印象的なパブリックアートが設置されています。六本木ヒルズの「ママン」に匹敵するのは「ジャウメ・プレンサ」の「ルーツ」でしょう。
私とジャウメ・プレンサとの最初の出会いはファーレ立川の作品です。ファーレ立川の作品は車止めの機能をもった小型の作品ですが、この時から「ルーツ」を彷彿とさせる文字によって形成された立体作品になっています。ファーレ立川の作品は1994年設置ですからプレンサが39歳の時の作品となります。そして奇しくも?虎ノ門ヒルズの「ルーツ」はその20年後に当たる2014年、ジャウメ・プレンサ59歳の時の作品です。アーティストの39歳は若手、59歳はノリにノッてる時期ではないでしょうか。
「ルーツ」は8つの言語が膝を抱えた人の形をしています。日本語だけはさすがにわかるけど、あとは調べてみました。日本語、中国語、アラビア語、ヘブライ語、ラテン語、ギリシャ語、ヒンディー語、ロシア語だそうです。
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ジャウメ・プレンサ:虎ノ門ヒルズ |
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ジャウメ・プレンサ:虎ノ門ヒルズ |
ルーツは中にも入れます。作品の中からの風景はこんな感じ。
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ルーツの中から頭上を見上げる |
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ルーツの中から頭上を見上げる2 |
下の写真は虎ノ門ヒルズで春と秋に開催されてるヨガイベントの時のものです。プレンサの作品を中心に皆でちょっと傾斜のある芝生でヨガをします。ヨガの話は別の回に詳しく書きます。
この作品のコンセプトとして「虎ノ門ヒルズをルーツ(起点)として、この一帯に新しい文化や暮らしが根づき、その中から未来につながる発想や革新が生まれるような街に成長してほしい」まさに、「ルーツ」の周りで文化や暮らしが根付いてる瞬間ではないしょうか。
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虎ノ門ヒルズヨガ2017春 |
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虎ノ門ヒルズヨガ2017春 |
ファーレ立川、虎ノ門ヒルズ以外でジャウメプレンサ作品が見られるのは男木島です。2010年瀬戸内国際芸術祭で男木島の船の発着所に「男木島の魂」と題した作品が設置されています。発着所の屋根そのものがプレンサの作品となっておりシチュエーションといい、スケール感といい、非常に場所にマッチしたパブリックアートです。
ジャウメ・プレンサ「Roots」
5.5 x 6.5 x 10m
ステンレススチール、塗装