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2026年、美術界に大きな注目が集まる中、あの《真珠の耳飾りの少女》が14年ぶりに日本へ来日します。この貴重な機会に合わせ、フェルメールの世界を深く探求できる決定版とも言える一冊、『なるほどフェルメール』が河出文庫より発売されます。2026年6月8日に発売される本書は、フェルメール愛好家にとって必携の一冊となるでしょう。

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美術評論家である千足伸行氏が監修を務める『なるほどフェルメール』は、フェルメール作品とその生涯、そして彼を取り巻くドラマのすべてを凝縮しています。東京大学文学部卒で国立西洋美術館勤務経験も持つ千足氏は、現在広島県立美術館長を務める美術評論の大家です。彼の深い洞察と専門知識が、画家の多面的な魅力と作品に込められたメッセージを分かりやすく伝えます。

全35作品をフルカラーで堪能

本書では、現存するフェルメールの全35作品がフルカラーで収載されており、その全てを文庫判で手軽に鑑賞できます。税込1,100円という価格でありながら、これだけの情報量とビジュアルが網羅されている点は特筆すべきです。

作品に隠された「トリック」を解き明かす

フェルメールの絵画は、単に美しいだけでなく、見る者を魅了する数々の仕掛けや秘密が隠されています。本書は《牛乳を注ぐ女》や《ワイングラス》といった代表作から、あまり知られていない作品まで、丁寧にその謎を解き明かします。

フェルメール・ブルーの秘密

彼の代名詞ともいえる「フェルメール・ブルー」は、ターバンの鮮やかな青や静かな室内に広がる柔らかな青として、見る者の心に深く刻まれます。この独特の青が、いかに高価な顔料「ウルトラマリン」を贅沢に使って生み出されたか、そして作品ごとに異なるニュアンスを持つことまで詳細に解説されています。


▲《牛乳を注ぐ女》に用いられたフェルメール・ブルーは、ラピスラズリを原料とする高価なウルトラマリンを惜しみなく使用したものです。

光の魔法と画面の仕掛け

フェルメールは「光の画家」とも称されますが、彼の描く光は「曇りガラスで濾過されたような穏やかな、ほとんど熱を感じさせない光」として表現されています。この「北の光」が、作品全体の静謐で心和む世界をどのように作り出しているのか、その秘密に迫ります。
また、彼の作品には精緻な写実性を生み出すための技法が凝らされていました。例えば、「カメラ・オブスキュラ」という光学装置の使用が推測されており、その精密な描写の実現方法を深く考察しています。


▲カメラ・オブスキュラ(暗い部屋)は、レンズを通して外の景色を暗室の壁に映し出す初期の光学装置で、フェルメールが写実的な描写に用いた可能性が指摘されています。

カンヴァスに残るピンの跡など、科学調査で明らかになった画家の試行錯誤の跡を通じて、彼がいかに空間の奥行きを巧みに表現していたかも分かります。さらに、絵の中に描かれた別の絵画や、特定のモチーフが持つ象徴的な意味「寓意」を知ることで、作品に込められた深いメッセージを読み解くことができます。


▲《ワイングラス》に描かれたリュートは「愛」を、楽譜は「調和」を示すなど、小物一つ一つにも当時の時代や風俗、込められた意味が隠されています。

謎に包まれた画家の素顔

フェルメールは自画像をほとんど残さず、その生涯は謎に包まれています。現存する作品数が少ない寡作な画家としても知られています。本書は、彼が活躍した17世紀のオランダという時代背景から、彼の結婚生活、金銭事情、さらには画の師匠は誰だったのかといった多岐にわたる疑問に答えてくれます。
東インド会社設立で世界に雄飛し、レンブラントが頂点に君臨していた「黄金時代」に、フェルメールはどのように生きていたのでしょうか。また、今や巨匠と称される彼が、なぜ19世紀半ばまで地元オランダですら忘れ去られていたのか、その歴史的な経緯も読み解かれます。無職同然の身で「逆玉婚」をしたり、宿屋の主や画商として副業をこなしたりと、意外な人間味あふれるエピソードも満載されています。

作品をめぐる数々のドラマ

フェルメール作品は、ただ美しいだけでなく、その歴史の裏側には数々のドラマが隠されています。本書では、作品をめぐる真作論争、盗難事件、贋作騒ぎなど、スリリングなエピソードが多数紹介されています。
IRAが関わったとされる《ギターを弾く女》の受難、2度も盗まれた《手紙を書く婦人と召使い》、30年近く行方不明の《合奏》など、その事件ファイルはまるでミステリー小説のようです。専門家をも欺いた世紀の贋作を描いた男の話や、第二次世界大戦中にフェルメール作品がナチス・ドイツの略奪対象となった悲劇的な歴史にも触れられています。これらのエピソードを知ることで、作品一つ一つが持つ重みや、美術品が辿ってきた波乱万丈な運命をより深く感じることができるでしょう。

来日展の感動を深めるために

2026年には、大阪中之島美術館にて「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」が開催され、《真珠の耳飾りの少女》が14年ぶりに来日します。この貴重な機会に、フェルメールという画家と彼の作品について、これまで以上に深く知りたいと考える方にとって、本書は最高の入門書でありガイドブックとなるでしょう。
展覧会会場で作品を目の当たりにする前に、本書で作品に隠された秘密や画家の生涯、そして作品をめぐるドラマを予習しておくことで、一点一点の絵画が持つ意味をより深く理解し、何倍も感動を味わうことが期待されます。もちろん、鑑賞後の復習にも最適です。

参加方法

『なるほどフェルメール』は、全国の書店やオンライン書店にてお求めいただけます。

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▲フェルメールの代表作である《真珠の耳飾りの少女》が印象的な書影です。

基本情報

書名:なるほどフェルメール
監修者:千足伸行
仕様:文庫判/並製/208ページ
発売日:2026年6月8日
税込定価:1,100円(本体1,000円)
ISBN:978-4-309-42275-6
装丁:こやまたかこ
出版社URL:https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309422756/

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