世の中には名建築と呼ばれる建築が存在する。そして全国にある数々の名建築には、必ずと言っていいほど見目麗しい階段が存在する。中には階段がシンボリックな存在として空間の中心にまるで彫刻のように設置されていたりする名建築も少なくはない。そこで、名建築にある名階段に注目してみることにした。
階段はその姿が美しいだけでなく、建築空間において縦の動線をつなぐ重要な機能を持っている。機能を持っていながら美しい。これが階段に魅せれらる理由のひとつだ。
しかし、昨今はエレベーターやエスカレーターなど便利なものにその役割を奪われているのが現実。それでも尚、現在でも空間の中心に大階段が設られた建築が次々と誕生している。階段は、縦動線を繋ぐだけでなく人と人を繋ぐコミュニケーションツールとしての役割もあるからだろう。
東京の名建築の名階段を中心に日本全国、あるいは世界の名建築の名階段を取り上げていきたい。
”名建築”とは長い時を経てなり得るという意見もあるだろう。しかし、ここでいう”名建築”は私の個人的な意見だ。つまり私が名建築だ!と思えばそれが築年数が浅い建築であっても名建築として取り上げることとする。
これから、大規模建築、狭小建築、古い建築、新しい建築、様々な名建築の名階段の登場を期待していただきたい。