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アレクサンダー・カルダーの35年ぶりの個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」が麻布台ヒルズギャラリーで開催!


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今では世界中のアーティストが当たり前のように制作している動く彫刻。いわゆる ”モビール” を彫刻として、アートの表現として取り入れたのが、動く彫刻の第一人者、アレクサンダー・カルダーです。

そのカルダーの東京で35年ぶりとなる個展が今年オープンしたばかりの麻布台ヒルズギャラリーにて2024年5月30日から開催されています。

内覧会にご招待いただいて一足早く鑑賞してきましたので、早速レポートします。

お得情報、耳寄り情報もあるので是非全部読んでみてください。

Alexander Calder《Fafnir》1968, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る
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アレクサンダー・カルダー

事前に送られてきた内覧会の案内の注意事項の中に「扇いだりしないでください」というくだりがあって思わず笑ってしまいました。なかなか展覧会の注意事項ではお目にかかれないフレーズです。これ読んですぐに「確かに、扇ぎたくなる作品ばかりだろうなぁ」ということが容易に想像できたのでなんだか無性に可笑しかったです。

そして、実際扇ぎたくなる作品はありました!ありましたけれど大人はそんなことしてはいけません。

まず、東京での個展が35年ぶりというのに驚きました。うん、確かに日本だけでなく世界の名だたる美術館のコレクションにカルダーがない美術館は少ないでしょう。

で、35年前の東京での個展というのは、今はなき池袋にあった西武美術館の「カルダーの世界展 」です。解説は中原祐介、図録の表紙は田中一光という、時代を感じさせるメンツです。

池袋の西武美術館はもうないし、中原祐介も田中一光も亡くなっています。ちなみにですが、さすがの私もこの展覧会は観ていません。

カルダーのサイン, Alexander Calder’s signature, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

折に触れ、個展ではないにしろ、著名な美術館の常設展やコレクション展で目にする機会の多いアーティストなので、すごく見た気になっていましたが、冷静に考えると個展は見たことがないのでした。

例えば、シカゴにあるカルダーの巨大な赤いパブリックアートは動きこそないものの、同じくシカゴにあるアニッシュ・カプーアの巨大彫刻と共に鮮烈な印象があります。あれは両方とも本当にすごい。また見たいパブリックアートのひとつです。昔すぎて写真探すのが大変なため掲載はしませんが。

カルダーは1898年にアメリカペンシルベニア州ローントンに生まれ、1976年ニューヨークにて逝去しました。(家族でフランスに移住していた時期もあるそうです。)

ですから、カルダーの存在を私が認識した頃には物故作家でしたし、日本をはじめ多くの美術館のコレクションで目にすることが多いので、ピカソと同等の近代美術の巨匠という位置づけです。(←雑なまとめですいません)

ちなみに現在、日本国内18箇所の美術館に20点以上のカルダーの作品が収蔵されているそうです。これってすごいことですよね。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

PACE GALLERY/ペースギャラリー

今回注目したいのは、PACE GALLERY(ペースギャラリー)の存在です。ペースギャラリーはNYを本拠地として1960年に設立されたメガギャラリーです。そのペースギャラリーが、この秋麻布台ヒルズに東京の拠点をオープン予定なのです(当初の予定は今春でしたが9月に延期)

ちなみにペースギャラリーの内装デザインは、麻布台ヒルズの商空間も手掛けている建築家の藤本壮介です。

ペースギャラリーの拠点は本拠地のNYをはじめロサンゼルス、ロンドン、ジュネーブ、香港、ソウルの7ヶ所。そして東京は8ヶ所目の拠点となります。

所属取扱アーティストは近現代のアーティストおおよそ130人にもなります。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

お馴染みのアーティストだと奈良美智、名和晃平、李禹煥、高松次郎なんかもそうです。また、大御所ではディヴィッド・ホックニー、マーク・ロスコ、ロバート・ラウンシェンバーグなどなど、錚々たるメンツですね。

この規模の大きさがメガギャラリーと言われる所以です。(初めてメガギャラリーの一つNYのガゴシアンを訪れた時、その巨大さに感動しました。と同時に日本のギャラリーの規模の小ささに愕然としたものです。)

今回のアレクサンダー・カルダー展は、ペースギャラリーと麻布台ヒルズギャラリーとの共催なのです。

東京の拠点、PACE GALLERY TOKYOはまだオープン前ですが、麻布台ヒルズギャラリーのカルダー展にて、いよいよオープンするペースギャラリーの存在を身近に感じることができます

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る
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「そよぐ、感じる、日本」展

今回の個展に出品されている作品は、代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングなど、1930年代から1970年代まで約80点が展示されています。

また、キュレーションは、カルダーの孫にあたるニューヨークのカルダー財団理事長アレクサンダー・S.C.ロウワーが手がけています。

それでは、展覧会に出展されている中で気になった作品をいくつかご紹介します。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

カルダーの動く彫刻

前述しましたが、カルダーといえばモビール、動く彫刻です。動く彫刻と言ってもカルダーのモビールにモーターなどの動力はなく、自然な風や空気の流れを受けて動くのがカルダー作品の特徴です。

展覧会会場でも天井からいくつものモビールが吊り下げられ、作品によっては空調の緩やかな空気の流れを受けてゆっくりと動いています。

場所によっては微動だにしない作品もありますが、扇いではいけません。(←何度も言います)

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲繊細な作品はガラスケースの中にあるので動きを見ることはできないけれど、天井からのモビール、床置きのスタモビ、壁には平面作品と至る所にさまざまな形で展示されています。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲天井から吊り下げられているのは、カルダーの作品の中ではかなり具象的な表現をしているモビール作品《Haikaller》1975です。

この作品は微妙に動いていました。横の床置きの黒いスタビル作品《Pagoda》1963はどっしりと存在感のある作品です。

軽やかで動きのある頭上のモビールとの対比が印象的な展示でした。

▼どの作品が動いているのか、展覧会全体の雰囲気は動画を参照ください。

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数多くの平面作品

アレクサンダー・カルダーのモビール作品は何度も目にしたことはあるけれど、こんなに数多くの平面作品を目にしたのは、長い美術館鑑賞生活の中でも初めてです。

Alexander Calder《Untaitled》1947, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲この作品は、カルダー展でなかったら絶対ミロだと勘違いしそう。

ミロやカンディンスキー、岡本太郎を想起させるような色彩や躍動感のある作品ばかりでした。

ただ、カルダーにとって彫刻も平面作品もそこにボーダーはないのだそうです。

ですから、平面作品にも彫刻同様に動きを感じるでしょう。

Alexander Calder《São Paulo》1955, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲こちらは大胆な色使いの平面です。実はキャンバスではなくコンパネに描かれた作品です。

Alexander Calder《São Paulo》1955, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲実はこの作品は、作品が動かないように板の上にビス留めして立体作品を搬送する際に使われたコンパネだそうです。

たくさん空いている穴は、ビス留めの跡というわけです。

映像作品

展覧会場内で1ヶ所暗く閉鎖的な空間があります。ここで、映像作品がループ上映されています。

映像の音楽はジョン・ケージ。

当時にしてはかなり実験的な映像だったと推察されます。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

展示デザイン

展示デザインは、長年のカルダー財団の協力者でもあるニューヨーク拠点の建築家、後藤ステファニーによるものです。

そここに溢れる日本を意識したデザインが印象的でした。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲会場に入って最初に目にする真っ赤な壁。こちらはなんと漆喰です。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲近づいて見ると藁すさが混じった本物の漆喰であることがわかります。テンポラリーな展覧会会場の壁一面に漆喰とは!しかも真っ赤です。

アート展でこんなに巨大な漆喰壁の設えは初めて目にしたかもしれません。さすがです。思わず入ってすぐに、作品ではなく壁のマテリアルに拍手です。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲黒いスペースは和紙です。通常の和紙の繊細なイメージを覆す荒々しいマチエールを見せる黒い和紙は見るからに堅牢で、まるで瓦のようです。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

▲木のスペースは桜の木を使っています。また、天井には内照式の庇が!これも日本を意識したデザインだそうです。展覧会会場で天井まで設えを変えるのはなかなかありません。(超潤沢な予算だったと想像される東京都現代美術館のディオール展以来かもしれません)


これだけの数のカルダー作品を一度に観られる貴重な機会です。

しかも展示空間のデザインを含めてとっても見応えのある展覧会でした。

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かわいい!カルダー展覧会オリジナルステッカー

2024年5月30日(木)から入館者先着500名様に展覧会限定ステッカーの配布があります。

カルダーのドローイングなどデザインは全4種類!

残念ながらランダムでの配付のためデザインを選ぶことはできません。

先着順なので絶対欲しい方は今すぐ麻布台ヒルズギャラリーへ!

※配布対象は、有料チケット購入者に限られています。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

カルダー展の写真撮影について

カルダー展では写真・動画撮影ともにOKです。

ただし、携帯電話での撮影のみです。立派なカメラや三脚、自撮り棒はNGです。

また、動いて欲しいからと言って絶対にモビール作品を扇いだりしてはいけません。

ルールを守って鑑賞しましょう。

Installation view of Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

カルダー展 FREE MONDAY NIGHTS

なんと!第4月曜日は夕方から入館無料です!これは朗報ですね。

2024年カルダー展会期中の対象日時は以下です。

6月24日(月)16:00~18:00(17:30)

7月22日(月)16:00~18:00(17:30)

8月26日(月)16:00~18:00(17:30)

臨時休館日を除く、最終入館は17:30、予約不要

※混雑状況によっては入場規制や、入場まで待ち時間が発生する可能性あり

Alexander Calder《Untaitled》1925, Calder: Un effet du japonais, Azabudai Hills Gallery, 2024 © 2024 Calder Foundation, New York / Artists Rights Society (ARS). New York 写真:建築とアートを巡る

基本情報

カルダー:そよぐ、感じる、日本


2024年5月30日(木)– 2024年9月6日(金)

月火水木日   10:00 – 18:00 (最終入館 17:30)

金土祝前日   10:00 – 19:00 (最終入館 18:30)

入場料金 中学生以下無料

一般チケット:1,500円(1,300円)

専門・大学生:1,200円(1,000円)

高校生:1,000円(800円)

( )内はウェブからの事前予約料金

麻布台ヒルズ ギャラリー

港区虎ノ門5-8-1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階

アクセス:東京メトロ日比谷線「神谷町駅」5 番出口直結

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