目黒駅から徒歩10分ほどの目黒川沿いにある目黒区美術館で現在開催している展覧会は、東京じゅうの猫ばかりを集めた展覧会「東京の猫たち/Cats of Tokyo」です。
東京じゅうの猫とはどういうことかと言うと東京にある13の区立美術館のコレクションの中から、猫をモチーフとした作品だけを集めた展覧会だからです。これはもう猫好きにはたまらない企画展なわけです。
13の区立美術館
区立美術館というと真っ先に思い浮かぶのは、渋谷区立松濤美術館です。
開館は13の区立美術館の中でも二番目に古く、また、孤高の建築家白井晟一が晩年に設計した美術館としても有名です。▼
また、個人的に縁があるのは世田谷美術館です。広い砧公園の中に位置し、カフェやレストランも併設され一日居ても飽きない美術館です。
世田谷美術館は、内井昭蔵設計で建築としても見る価値ありの建物です。個人的にはこのコリドー空間が好きです。
松濤美術館と世田谷美術館この2つの区立美術館は、訪問回数カウント不可能なくらい通っていますが、その次に通っているのは、ここ目黒区美術館です。
区立美術館って規模がそんなに大きくないので、鑑賞しても疲れないし、公園の中にあったり、元住居だったり、環境が良いのも魅力です。
しかし、東京都には13も区立美術館があるとは!
この展覧会を見るまで区立だって認識していなっかった美術館がありました。
先にあげた3つ以外の区立10館は、練馬区立美術館、台東区立朝倉彫塑館、O美術館(品川区)、大田区立龍子記念館、豊島区立熊谷守一美術館、すみだ北斎美術館、豊島区文化商工部文化デザイン課芸術推進グループです。個人的には、大田区立龍子記念館は未訪問の美術館です。
また、豊島区文化商工部文化デザイン課芸術推進グループというのは、旧名称を旧ミュージアム開設準備学芸グループといい、簡単にいうと開設準備室ということです。
また、豊島区立熊谷守一美術館と台東区立朝倉彫塑館は、作家の個人美術館であり、本人のアトリエ(旧宅)がそのまま美術館になっています。
未訪問ですが、大田区立龍子記念館も同様で本人のアトリエと旧宅を公園として保存し、その向かいに記念館が建っています。
これら3つの個人美術館は、作家のアトリエや旧宅などを遺族から譲渡され区立になっているパターンだと思われます。
目黒区美術館ミュージアムカフェの猫▼
東京の猫
東京の区立美術館が連携して東京オリンピックに向けて企画を検討していたものの、コロナ禍で計画は中止に。しかし、それでも連携して何かできないかと模索していたところ、区立美術館の所蔵作品の中から「猫」をモチーフとした作品を集めた展覧会を開催することになったというのがこの展覧会開催の経緯です。
今回、O美術館からの出品はありません。それ以外の11の区立美術館に目黒区美術館の所蔵品もあわせて88点の猫作品が大集合しています。
稲垣知雄の猫
残念ながら展示室は撮影NGです。ただし、この展示室だけは撮影可能です。
全て世田谷美術館所蔵の稲垣知雄の版画作品です。▼
木版画による温かみのある画面には、気ままに過ごす猫の日常が描かれています。▼
熊谷守一が「犬は人間に従順すぎて見ていて辛くなる。その点、猫は気ままでいい」というような内容のことを言ったと解説に書かれていましたが、激しく同感です。
私も猫の媚びずに自立しているところがとても好きです。▼
それから、何より猫の姿形、動き、表情は見ているだけで癒されます。
生まれたばかりの仔猫は目が青い。▼
どんな猫がいるのか
板橋区立美術館所蔵の柴田是真「猫鼠を覗う図」1984年は軸装の作品ですが、100年以上前とは思えないモダンな構図に愛らしい猫が描かれていて悶絶のかわいさです。
それから、猫といえば藤田嗣治です。藤田嗣治の陶器の「猫と鼠」は必見!特に鼠の尻尾に注目して見てください。
また、平面だけでなく朝倉彫塑館からはブロンズの猫達です。さらに、今年は寅年ということもあり猫科ということで寅が描かれた作品もあります。
作品数もそんなに疲れるほど多くないし、とにかく癒されるし、慌ただしい日常を忘れてかわいい猫達の作品に浸ることができました。
葛飾北斎の作品は前期と後期で展示替えがあります。前期4/23-5/22、 後期5/24-6/12
キャプションにも猫のシルエットが▼
基本情報
2022年4月23日(土)~6月12日(日)10:00〜18:00 月休
一般800円、大高生・65歳以上 600円中学生以下無料 目黒区在住在勤割引あり(要証明書)
目黒区美術館
東京都目黒区目黒2丁目4−36 MAP
アクセス:JR目黒駅徒歩約10分、東横線中目黒駅徒歩約20分
過去の展覧会▼
目黒区術館のミュージアムカフェ▼