ANB TOKYO
六本木のオルタナティブスペースANB TOKYO。
六本木の街なか、外苑東通りにも面した繁華街のど真ん中のスペースです。
2020年のオープン以降、中園孔二の個展など刺激的な展覧会を開催している注目のギャラリーです。
ここで2021年6月12日(土)から開催中の黒田アキ「沈黙の先を行く」に行ってきました。
黒田アキ
黒田アキは1944年生の画家。1970年に渡仏し以来ずっとヨーロッパで活動しています。
今回は日本では5年ぶりとなる個展だそうです。
名前から女性と誤解されがちですが本名を黒田明比古(くろだあきひこ)という男性です。
▲制作途中の絵を前に構想を考える黒田アキ。
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黒田アキ 「沈黙の先をいく」
今回の個展のタイトル「沈黙の先をいく(Kuroda est en avance sur le silence)」はマルグリット・デュラスが黒田アキの個展のカタログに寄せた一文から取られています。
デュラスとも交友を持つほどヨーロッパでは知られた存在の画家です▼
3Fは2000年代の作品
今回はANB TOKYOの3Fと4Fのフロアを使って開催されています。
▼まずは3F。主に2000年代と2010年代でも前半の作品です。
▼キャンヴァスにアクリルの作品です。
力強く自由なタッチがいいですね▼
少し古い作品だとこのようなシンプルな構成の作品もあります▼
混沌とした作品となんともかわいいイラストチックな絵が混在しています▼
PR4Fは近作と資料と映像
4Fには2010年代以降の近作と資料、それと制作の様子を捉えた映像が展示されています。
▼4Fに入るといきなりカラフルな作品が並んでいます。
▼色、モチーフ、構成。その振り幅が大きいのもまた魅力かもしれません。
これは1997年の作品です。これを見ると抽象から具象に帰還しつつあるのかなぁと思えます▼
▼4Fには黒田が創刊した美術誌「コスミッシモ」や、手掛けた舞台美術など絵画作品以外の活動を示す資料も展示されています。
実際に展示されている資料です▼
▼この作品集も資料として展示されています。
また吉本ばななの「王国」のイラストも黒田アキが担当しています。
制作の様子を捉えた映像
4Fでは黒田アキの制作の様子を撮った映像を流しています。
フランスのコレクターの家にアシスタントと共にコミッションワークを制作する黒田アキです。
▼壁面2面を使った大作です。
最初は青く塗られていた方の壁にはハムレットのオフィーリアが描かれます▼
日本にはあまりその動向が伝わってこなかった2000年代以降の黒田アキですが、今回の「沈黙の先をいく」にはその2000年以降の作品が展示されていて、最近の作風などを知ることができる展覧会になっています。
また元気に、そして格好良く制作する姿を見ることもできます。
まだ開幕したばかりなので観ておきたい展覧会です。
黒田アキ「沈黙の先をいく」
ANB Tokyo
2021年6月12日(土)~6月27日(日) 11:00 – 18:00 (月火は休館) 事前予約制 入場無料